外壁のコーキング(シーリング)って?劣化症状や修理の費用を簡単解説!
外壁塗装工事について調べていると、コーキングやシーリングという言葉を目にすることも多いのではないでしょうか。
サイディングやALC、モルタルなどの主要な外壁でコーキングはとても重要な役割を担っており、メンテナンスの際にはコーキングの補修が欠かせません。今回はコーキングの役割や、劣化症状の見分け方、修理にかかる費用などを簡単にご紹介します。
11章 コーキング(シーリング)とは
1-1 コーキングって何?
コーキングとは、簡単に言うと外壁材のつなぎ目部分などを充填するものです。
現在日本で多く普及している窯業系サイディング、金属系サイディング、ALCなど、ほとんどの外壁材ではこのコーキングを使用しており、劣化などの状態に応じてメンテナンスが必要です。
また、モルタルなどのようにつなぎ目のない外壁材でも、ひび割れの補修などにコーキングが使用されます。
1-2 コーキングとシーリングの違いについて
コーキングとシーリングは、ほとんど同じ意味でつかわれると考えていいでしょう。
もともとは、コーキング(Caulking)「隙間を埋めること」と、シーリング(Sealing)「密封する」というそれぞれ別々の単語ですが、外壁工事の依頼などにおいての使い分けはとても曖昧です。
工事の依頼をする際なども、どちらの言い方でも通じると思って差し支えないでしょう。
1-3 コーキングの役割
コーキングには大きく分けて、外壁の隙間を埋めて雨水などの侵入を防ぐこと、外壁のズレなどを吸収することという2つの役割があります。
●外壁の隙間を埋める
サイディングなどパネルを張り合わせて施工を行う外壁材では、つなぎ目部分に隙間が生じます。
コーキングは、見た目はもちろん、外部からの水の侵入などを防いで外壁の下地が劣化するのを防ぐという役割も担っています。
●外壁のズレなどを吸収する
セメントなどを主成分として使用している外壁材は固く、天候などによってわずかに収縮するとひび割れなどを起こしてしまう可能性があります。
隙間部分に、ゴムのように伸縮性のあるコーキングを入れておくことで、外壁材のズレや収縮を吸収し、ひび割れなどを防いでいます。
2コーキングの劣化症状と修理方法
コーキングは外壁材や下地を守るためにとても重要な役割を担っているため、劣化がみられる場合には適切な修理を行う必要があります。
修理時期の目安としては、紫外線の当たり方や、気候など、建物の立地条件によっても様々ですが、5~10年程度に1回は必要であると言われています。
2-1 劣化でよくある症状
コーキングの劣化症状としてはひび割れ、肉やせ、剥離などがあります。
●ひび割れ
劣化の初期では、コーキングに小さなひび割れが見られるようになります。
紫外線などによる経年劣化や収縮によるもので、放置しておくと次第にひび割れが大きくなっていきます。
ひび割れが出てきたらメンテナンスを少し意識しておきましょう。
大きな亀裂ができた際や、全体にひび割れが多く見られるようになったらすぐにでも補修をしましょう。
●肉やせ、剥離
コーキングや周りの外壁材が収縮することで、コーキング部分がやせて細くなったり、隙間ができて剥がれてしまったりすることがあります。
このような症状もメンテナンスのサインと考えましょう。
剥がれてしまった場合にはいつ水や害虫によっていつ下地が被害にあってもおかしくないので、早急に工事を検討しましょう。
建築や前回のメンテナンスからの年数に関わらず、このような症状があれば、修理を検討した方がいいでしょう。
2-2 修理の2つの方法
コーキングの修理には、「打ち替え」と「打ち増し」の2つの方法があります。
●打ち替え
既存のコーキング材をすべて剥がしてから新しいコーキング材を施工する方法です。
傷んだ部分をしっかり取り除いて再度施工するため、コーキング本来の機能を回復させることができ、打ち増しに比べて持ちもいいです。
コーキング材の撤去に手間がかかるため、打ち増しに比べて1~5万程費用が高くなります。
●打ち増し
既存のコーキング材の上から重ねて新しいコーキング材を施工する方法です。
打ち替えに比べて手間がかからず費用を抑えられますが、傷んだコーキング材はそのままになるため、再び劣化してくるのが早くなります。
打ち替えに比べて費用は少し安くなりますが、基本的には打ち替えがおすすめです。
3修理にかかる費用
3-1 修理費用の相場
コーキングの修理にかかる費用には、新しいコーキングの施工費、既存コーキングの撤去代、足場代などがあります。
●施工費
新しいコーキングの施工費はメートル単位で計算され、1mあたり900円~1,200円程であることが多いです。
コーキング材にもいくつか種類があり、アクリル、ウレタン、シリコン、変性シリコン、ポリウレタンなど、それぞれに特徴があり費用も異なります。
耐久性や耐熱性に優れたシリコンが、現在では最も人気といわれています。
●既存コーキングの撤去代
既存コーキングの撤去代は1万円~5万円程度です。打ち増しの場合にはかかりません。
●足場代について
足場代は15~20万円程かかります。
ひび割れの補修のみの工事で、高所作業が必要ない場合などを除いて、基本的に足場代は必要になると考えておいた方がいいでしょう。
建物の構造によって、3階建て、4階建てとなればさらに費用は高くなります。
相場としては、2階建て住宅で建物全体の打ち替え工事を行った場合、30~50万程度となります。
実際には現地調査を行って正確な施工量などを調べる必要があるので、費用はあくまで目安と考えましょう。
3-2 DIYはやめた方がいい?
施工には高額な費用がかかるため、ホームセンターなどでコーキング材を買ってきてDIYで施工したいという方もいるでしょう。
●DIYのメリット
DIYのメリットとしては何といっても費用を抑えられることです。
業者に依頼した場合には30万以上の費用が掛かるのに対し、ホームセンターで材料を購入して自分で施工するなら数万円程度の出費で済みます。
●DIYのデメリット
デメリットとして、失敗のリスク、後の工事に余計な費用が掛かる可能性があること、高所作業で危険が伴うことなどがあげられます。
剥がす予定だった養生テープが剥がれなくなった、見た目的に綺麗にできなかったということは少なくありません。
また、少し汚れが落ち切っていなかったというだけでも、防水性などコーキング本来の機能がしっかりと発揮できず、トラブルになったり、すぐに剥がれてしまったりということもあります。
こうなると後から業者に頼んでも、失敗したコーキングの撤去に余計な費用が掛かるため、かえって費用が高額になってしまう可能性もあります。
結論としては、ほんの小さなひび割れの補修や応急処置という場合を除いて、基本的にはコーキングの修理は業者に依頼するのがおすすめです。
DIYも絶対にできないというわけではありませんが、自信がある方でも十分に注意して行うようにしましょう。
3-3 まとめ
コーキングの修理は、外壁の機能を保つためにとても大切な工事です。
傷みの度合いなどを確認しながら、完全に劣化して機能を失ってしまう前にしっかりと補修工事を行うようにしましょう。
補修とはいえ30~50万円程度の費用がかかる工事です。
悪徳業者などの被害にあわないためにも、業者選びの際は実績があり信頼できる業者を選ぶのが大切です。
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